ふくおか食べる通信 | 0033:『天気の子』:7月上旬豪雨災害に思う
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0033:『天気の子』:7月上旬豪雨災害に思う

0033:『天気の子』:7月上旬豪雨災害に思う

2019年7月19日、満を持して映画“天気の子”が公開された。

何日も降り続く雨に科学はなすすべもなく、人間は神頼みするしかなかった。そこに現れたのが“天野陽菜”という100%晴れをもたらす謎の少女…。

 2020年7月。今年も九州を数十年に1度の大雨が襲った。

大雨特別警報は運用開始後過去7年で16回も発令されている。7月12日付けの西日本新聞では、今回の豪雨の要因は地球温暖化による海水温の上昇で水蒸気の量が増加、積乱雲が発生しやすくなったからだという専門家の見解を掲載している。豪雨災害は中国にも及んだ。長江が氾濫。観測市場最高の水位とな4,500万人近い人が被災した。豪雨災害はもはや一部の地域の出来事ではない。

 

 ほんの数ヶ月前、我々が当たり前の前提として疑わなかった安心・安全な生活はコロナによって一部が脆くも崩された。さらに輪をかけて我々の安心・安全な生活を脅かしているのが豪雨災害である。

 

 コロナに対して我々は、生活スタイルや働き方、いわゆる行動様式を変えた。

それによって意識を変えた。行動と意識を変える事でコロナと対峙しようとしている。専門家の提言に耳を傾け、国や自治体が舵をとり、我々は行動変容した。その背景にあるのは危機が目の前に迫っているという緊急性だ。豪雨災害の大きな要因である地球温暖化はこれまで目に見えづらかった。見えていたかもしれないが見えないふりをしていた。緊急性を感じる機会が少なかった。しかし気象学者や海洋学者などの専門家は以前から警鐘を鳴らしている。「待ったなし」だと。

 

 地球温暖化の要因であるCO2の排出を削減する事は、豪雨災害リスクを軽減し、我々が当たり前の前提だと思っている安心・安全な生活を守る事につながるとするならば、我々にはどんな行動変容が求められるのか?我々はどのように意識を変える必要があるのか?そして、それはいつ始めねばならないのか?

 映画“天気の子”のラストシーンでは2年以上雨が降り続き、東京が水没してしまう姿が描かれていた。数十年後「新海誠は預言者だったのか」などというゴシップ記事が出回らない為にも、我々の安心・安全な生活を守る為にも、今できる事は何か?考えながら行動する事が求められている。