0043:「地域活性化ってなんだろう?」

食べる通信という仕事をしていると、ありがたいことにこう言われることがあります。

「地域活性化に貢献していますね」とか、「地域活性化につながる事業ですね」と。ただ、その度に、僕は少しだけ言葉に詰まってしまいます。「地域が活性化してる状態ってどんな姿なんだろう」って。みなさんは、どんな状態になったら地域が活性化されていると思いますか。

わかりやすいのは数値で測れる指標で見ることですね。例えば、人口が増えた。若者が増えた。雇用が増えた。観光客が増えた。その地域の売上や税収が増えた、といった指標です。確かに、これらの指標は具体的な数値で表れるので一定の説得力があります。

一方で、これだけでは物足りないという思いもずっと持っていました。しかも、これからの日本は人口が減少していく中で、増えることを前提とした指標そのものが、もはや現実にそぐわなくなっています。

数値だけでは測れない何かがあるはずだ。それを問い続けていた時に出会ったのが、44号で特集した、しまんと新一次産業代表の十河明子さんが語った「地域活性とは、一緒に働く人が幸せになっていることです」。という言葉でした。この時僕は、大きく膝を打ちました。 

「なるほど! 人との関係性を軸に考えればその姿が見えてくるかも!」。そう思いました。

例えば、住民どうしが顔見知りであるだけでなく、困った時に助け合える関係があるとか、新しく来た人をよそ者扱いせず、受け入れる土壌があるとか。そして何より、その地域を「自分ごと」として捉え、積極的に関わる人がいる。

例えば、祭りの準備に汗をかく人、イベントを企画する人、農家を応援する人など。こうした人が一定数いる地域は、どこか活き活きしているように感じます。

さらには、その地域に大切な何か(歴史、伝統、文化、産物、景色など)があると、その何かを中心に人が集い、語り合い、関係性が深まります。そうした物語がある場所は人を惹きつける力を持つのではないでしょうか。

人が増えるだけでなく、関係が増え、この場所に関わりたい人が増えること。つまり、地域が活性化している状態とは、「そこに関わる人が増え、つながりが深まり、未来に希望を持てる状態」と言えるのかもしれません。

そう考えると、「地域」という言葉は決して「田舎」だけのものではありません。「都市」にも当てはまります。仕事はある。便利でもある。刺激もある。それなのに、どこか地域として元気がない。そんな感覚を抱いたことはありませんか。

地域活性化とは、人口が減少している田舎だけの問題ではなく、都市においても必要なのかもしれません。みなさんの住む地域は、いま活性化していますか?